第7章 頂上戦争
その様子を見ていたエースは……
「……おれは……腐ってる……!……くそ……おれは……歪んでる!……こんな時に、オヤジが……弟が……!仲間達が……!血を流して倒れていくのに……!」
エースの目から涙が溢れる。
「おれは嬉しくて……!涙が止まらねェ。今になって命が……惜しい!!」
そんなエースの呟きに、リラはくるりとエースを振り向いた。そしてエースの見聞色に働きかける。
「……!?」
『エース。仲間が自分のために戦ってくれるのが嬉しいのは普通よ。あなたは鬼の子じゃない……いたって普通の、ポートガス・D・エースよ』
エースの目がリラの方を向く。その目は驚きに見開かれていた。
「リラ……?」
『黙ってて、ごめんね』
それだけ言うと、リラはもうエースの方を向かず、エースを奪還しようとする白ひげ海賊団を退けた。
そして激戦の最中、運命の時は無情にも訪れた。
白ひげ限界を超えた心臓は、ビキビキと音をたて、歩みを拒む。
口からは鮮血を吹き出し、白ひげは地面に両膝をついた。
「寄る年波は超えられんか……!白ひげェ!」
サカズキが叫ぶ。
そして一瞬の隙をつき、黄猿の閃光がマルコを貫き、青雉の氷がジョズの体を凍らせていく。
崩れていく”白ひげ海賊団”の力。それを呼び戻すかのようにルフィは咆哮をあげ、エース目指して一直線に走り出す。
「ウオオオオオオオオオオ!!!」
センゴクが海兵たちに命令する。
「グズグズするな!全員で白ひげの首を取れェ!」
「オオオー!!!」
動きの止まった白ひげに無数の銃弾が命中する。
「オヤジィ!」
マルコが叫び、白ひげに近寄ろうとする。が、「来るな!」白ひげがマルコに叫んだ。
「こいつらァ……これしきで……ハァ……ハァ……おれを殺せると思ってやがる……助けなんざいらねェよ……ハァ……ハァ……」
白ひげはカッと目を見開いた。
「おれァ“白ひげ”だァァ!!!」
白ひげ渾身の一撃が海軍を吹き飛ばした。
「スズシロ!」
今度はリラがスズシロを掴む。「助かったよ」「これで貸し借りチャラね」2人はニッと笑いあった。