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炎の華と氷の心

第7章 頂上戦争


「海賊相手に処刑時間を守る必要はねェってわけか。何かの準備の後ってのがカギだな……」

白ひげが呟くと、ちょうどマルコが駆けてきた。

「オヤジ!海兵達に入った通信で、エースの処刑を早めるって情報が……!」
「ああ聞いた……だが冷静になれ。そうやって漏れた情報でおれ達が焦る事も計画の内だ。うっかり作戦を聞かれるなんてヘマ……アイツはやらねェ……そういう男だ!」

白ひげは“アイツ”をまっすぐ見据えた。

その頃ルフィは、海軍の猛攻を掻い潜りつつエースを目指し進み続ける。その姿をみて、何を思ったかエースは叫んだ。

「来るな!ルフィ~~!!わかってるハズだぞ!おれもお前も海賊なんだ!思うままの海へ進んだハズだ!おれにはおれの冒険がある!おれにはおれの仲間がいる!お前に立ち入られる筋合いはねェ!お前みてェな弱虫が!おれを助けに来るなんて、それをおれが許すとでも思ってんのか!?こんな屈辱はねェ!帰れよルフィ!何故来たんだ!!」

……馬鹿なエース。リラははぁっとため息をついた。
彼はあなたの弟。そんな言葉で止まるわけがない。きっとこれは彼なりの弟を想うがゆえの言葉。お前まで道連れになってほしくない、という。

だが、そんな兄の想いも何も吹っ飛ばしてルフィは叫んだ。

「おれは弟だ!!!」
「「!!!」」

エースだけでなく、リラもハッと息を飲んだ。

「すごいこと言うのな、火拳の弟って」
「エースの弟だもの」

スズシロとクスクスと言葉を交わす。
幸い、まだ大怪我は負っていない。──まだ、ね。
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