第7章 頂上戦争
白ひげの艦隊が姿を現した。
「おれの愛する息子は無事なんだろうな……!!!」
その姿はまさに、威風堂々というばかり。リラは自分の立場も忘れて魅入ってしまった。
これが──ロジャーと同じ時代を生きた男。そしてエースが無条件に信頼する“オヤジ”。
「……すっごい迫力」
思わず口にすると、横からスズシロが突っつく。
「見惚れてるのはいいけど、仕事しなさいよ」
「分かってるわよ」
言わずもがなのことを言われ、ぶうっと膨れた。
白ひげは力を籠めた両拳を左右に振り広げる。次の瞬間、大気にヒビが入り、海面が爆発と共に巨大な海振となった。
「きゃ!?」
予期せぬ大地震。マリンフォードの両脇には大津波。
「“グラグラの実”の『地震人間』“白ひげ”──エドワード・ニューゲート!なんて力だ!まさに伝説の怪物!!フッフッフッ!」
騒然となる海軍の中に不釣り合いなる高らかな笑い声をあげる王下七武海の一人、ドンキホーテ・ドフラミンゴ。その横を神速で通り抜けるは海軍大将 青雉。彼はアイスエイジを放ち、大津波を瞬時に氷河へと変えた。
湾内の海は全て凍りつき、動くこと叶わぬ海賊船へむけ、海軍の砲弾が放たれた。だが、白ひげ配下の海賊達は臆することなく、氷の足場に飛び降り総攻撃を開始する。
「エースを返せェ!」
「あんた達には悪いけど、こっちも仕事だから。邪魔しないでッ!」
リラも女だてらに中将だ。元々の強さに加え、雪女としての能力を遺憾なく発揮。
あーガープさんの後始末してて溜まりに溜まってるストレスを発散するのにいいわこれー。などと不謹慎な感想が浮かぶ。
「ストレス発散ね」
「馬鹿言ってんな」
スズシロに言うとあっさり一蹴された。