第7章 頂上戦争
と、リラの電伝虫が鳴った。
「はいこちらリラ……」
『リラか!スズシロもいるな?』
ガープの野太い声。リラは電伝虫ごと遠ざけた。
「そんな声張らなくても聞こえます。スズシロもいますよ。で、何ですか?」
一瞬空白ができた。ガープが息を吸い込む音が聞こえる。
『……火拳のエースの、公開処刑が決まった』
頭が冷えた。
エースを殺させたくない、という想いを無理やりに閉じ込める。
「いつですか?」
『一週間後だ』
端的に述べるガープは、声が揺れないようにしているのだと分かる。
『それでお前たちに頼みたいことが』
「七武海召集なら嫌ですよ、あの人たち癖ありすぎだもん」
はっきりそう言うと、ガープが電伝虫の向こう側で『ぶわっはっは』と笑い転げた。
『まぁそこまで言われてはな。お前たちはとにかく公開処刑の準備をしろ!んじゃな』
「あっ、ちょ……」
ガチャ。
リラは電伝虫の受話器を置いた。かなり乱暴に。
「で?ガープさん何だって?」
「聞いてたでしょ、とにかくこき使われる日々が始まるわよ」
「えー。変なとこに筋肉つくからヤなのよね」
「嫌ならやめれば」
「機嫌悪いわねェ」
苦笑するスズシロをよそにぶすっと膨れるリラ。
「まぁとにかく働くのね」
「そーゆーこと。分かったらさっさと訓練行くわよ」
リラはガタッと椅子を鳴らして立ち上がった。