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(R18) Lv.5 (HQ)

第3章  Lv.12




「光太郎!店で盛んなって何度言やァ分かんだテメエ! 芋!お前もお前で簡単に絆されてんじゃねえビッチかコラ!」

「ハイスミマセンデシタ」
「……以後気をつけます」


 休憩中の情事(未遂)を鉄朗さんに目撃された私たちは、フロアと楽屋を繋いでいる通路に正座させられていた。

 すごく叱られているのだ。
 もうめっちゃ叱られてる。

 光太郎には罰として十連勤の刑が科せられたし、私には「家から一駅手前で降りて走って帰ってこい!」という刑罰が下された。


「ほーら光太郎、カメラに目線ちょうだい? 芋っ子も笑って、セイチーズ!」

「店長、それ俺にも送ってください」

「こっぴどく叱られたなー、お前ら」


 足の痺れに耐えつつ、互いに科せられた罰を憂いつつ、なおも正座を続けるしかない私たち。

 そんな私たちを喜々として撮影する及川さんと、演奏を終えて楽屋に戻るけーじくんとスガさん。

 こちらには見向きもせず歩き去った黒いマスクの彼は、聖臣くんだろうか。

 例の、スローテキーラの。
 たしかベースを弾いていた。


「にしても、鉄朗も案外可愛いとこあるよね。あんなにムキになっちゃってサ」

「素直じゃないスからねあの人」

「ま、でも今回は、鉄朗のお気に入りに手出した光太郎が悪いべなー」


 及川さんのスマホを覗きこみながら、あれこれと会話を交わす彼ら。

 その様子を低いところから眺めていると、フロアと裏手を間仕切っている暗幕がふわり。

 空調に、揺れて。
 隙間から僅かに見える。ショットグラスにライムを飾りつける鉄朗さんの、仕事をしている姿。その横顔。

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