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(R18) Lv.5 (HQ)

第2章  Lv.7



 一度狂わされたペースが簡単に戻るはずもなく、気付けばそのままズルズルと、彼の思うままに会話は進んでいく。


「愛莉ってさ、鉄朗くんと一緒に住んでるんだろ?」

「……うん、一応、私が居候させてもらってるだけだけど」

「もうヤッちゃった?」

「っ!? は!?」


 どうしてそういうお話になるのか。
 驚きすぎてたじろいで、よろけた拍子に落としそうになったグラスを「っと、セーフ」なんて光太郎が掴んで。

「動揺しすぎ。図星なの?」
 私の顔を覗きこむ、いたずらっ子のような瞳。


「違っ、光太郎が変なこと聞くから!」

「ちょっとからかっただけだって」


 ほらよ、とグラスが差し出された。

 私はむくれ面をしてみせたまま、ショートドリンク用のそれを受けとろうとして手を伸ばす。

 その、瞬間だ。
 鷲掴みにされる手首。

 彼の唇が、耳元に寄せられて。



「──じゃあ俺と遊ばない?」



 どくんと心臓が跳ねた。

 途端に気道が狭くなる。
 息があがって、顔が熱くなって。


「な、何言っ、」

「鉄朗くんのモンじゃないんでしょ? だったらいいじゃん。俺と遊ぼうよ」


 彼は笑む。

 まん丸な瞳を今度は細くして「愉しませてあげるからさ」そんな堕とし文句を付け加えて。

 仄暗い箱内で光るその双眸は、まるで、溶けたバタースコッチみたいに。ひどく美しくて、甘やかな。

 狂わされる。
 乱される。

 ペースを、心を。

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