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鍵の歯車【7竜】

第2章 CHAPTER.0


──UE77年(西暦2100年)
極東第1保全都市・東京。


ノーデンス・エンタープライゼス



今や東京の若者達の間では知らない者など居ない、ゲーム会社のノーデンス社。


どんな設計士に依頼すればこんなにも逆正三角形が乗っかったような構造になるのだろう。

ここへ来る途中から見えていたが、いざ間近で目の当たりにすると感嘆の息が零れた。



バスやら電車やらの公共機関を乗り継ぎ、自宅から向かう事早1時間。

私は目的地であるノーデンス社の前にある正門前広場に到着した。




興奮する男「うおおお、マジでやべーよォォ!
ドラゴンが死ぬほどリアルすぎて死ぬかと思ったぁぁぁぁ!」

羨望する男「クッソォォォォォ〜、オレも遊びてェェェェェェェ!」

興奮する男「東京イチのプレミアチケットだぜ?
お前じゃ3年待ってもゲットできねーよ!
ザンネンでしたぁぁぁぁ!」

羨望する男「ンだとコノ野郎ォォォォ!!!」




・・・到着して早々に入口付近にて馬鹿みたいな声で騒ぐ男が2人。

クチコミ通りな面白さなのか、喧嘩に発展しかけるほど面白いのだろう。
じゃなければこの2人はよっぽどアレだ。




興奮する男「マジで最高ォォォォ!
あのスカイタワーを体験できてェェェ」

羨望する男「クソォォォォ・・・俺にチケットがあればよぉ・・・」




歓喜に吠える男と羨ましがる男の横を通り過ぎ、ひとまず周囲を歩いてみる事にした。




ぼんやりした女「あーあ。
なんか面白いことないかな〜」

シオン「(・・・会社まで来てゲームやんないのかな)」

家のない老人「あの竜災害をゲームの題材にするなど全くもって不謹慎じゃ!
じゃが・・・あの再現度はなかなかどうして。
遠い昔を思い出して、切なくなるのう・・・」

シオン「(やったのか。・・・うわ、切なくなりすぎて涙目になってる)」

語る青年「フフ・・・昨日の『マジカル・チェルシー』第29話の再放送はご覧に?
いやぁ、やっぱりアニメはニセン年代、はっきりわかんだね〜。
当時の人が羨ましいですよ〜」

シオン「(・・・どうでもいい、かな)」




みんなそれぞれ、と言う事か。

さて、あんまりウロウロしててもしょうがないし・・・行ってみますか。セブンスエンカウント。
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