第2章 CHAPTER.0
正門らしき入口に向かえば、入場ゲートっぽい所の前に女の子が居た。
弱気な女の子「コホッコホッ。
ひとりじゃ入りづらいな・・・でも、せっかく来たんだし・・・」
シオン「(咳・・・風邪引いてんのかな)
あのー」
弱気な女の子「ご、ごめんなさい!
邪魔ですよね!」
シオン「(いや、邪魔って言いたいんじゃ・・・。・・・ま、いっか)」
私が通る邪魔になってるのかと思った女の子が慌ててよけた。
女の子の咳も気になったけど、私は特に気にせずに入場ゲートへと歩いた。
変なぬいぐるみ「ノーデンス・エンタープライゼス提供の超絶大人気アトラクションセブンスエンカウントへようこそミミ!」
シオン「!うわ、びっくりした・・・」
変なぬいぐるみ「この先はチケットをお持ちのお客様しかご入場いただけないミミ〜」
ノーデンス社のマスコットだろうか。
てっきり普通のぬいぐるみだと思っていたゴスロリ姿のウサギのぬいぐるみが、なんとも中性的な声でいきなり喋り出した。
・・・って、チケット??
そう言えばさっきの2人もプレミアチケットがどうのとか言ってた気がする。
え・・・現地で販売とかしてないの?
シオン「・・・持ってないんだけど、それってここで買えないの?」
変なぬいぐるみ「あ〜・・・チケットの無い方はお通しできないミミ〜。
またのご来場お待ちしてるミミ〜」
シオン「(・・・なん・・・だと・・・?)」
せっかくここまで来たのにゲームやれないで門前払い・・・?
うあー、てっきり普通の遊園地みたいに当日券とかをその場で購入出来るとばかり思ってた。
しくじった。
これからどうしよっかなーと少し困ってると、今のやり取りを見ていたさっきの女の子と目が合った。
そして何やら近づいて来た。
弱気な女の子「あ、あの〜・・・これで、この人も一緒に入れませんか?」
控えめにそう言いながら、ポケットから1枚の紙を取り出す女の子。
なんとなく光って見える。
するとそれを見せられたぬいぐるみがびっくりした動きをする。
・・・え、このぬいぐるみ高性能すぎじゃない?