第2章 CHAPTER.0
そんな口振りに少し呆れながら、オネエ口調の影が口を開いた。
???「ISDFには悟られないように気をつけてよ?
いずれ交渉は必要だけどこっちの手駒が揃うまでは軍に嗅ぎつけられたくないわ」
???「手駒、ねえ。
そう簡単に見つかるとは思えんな」
ようやく始まろうとしているのに余計な邪魔が入っては困る。と言う意味にも取れるその言動に、フッと3つ目の影が笑った。
???「大丈夫だよ☆
この国にはゼッタイいるんだから」
???「根拠はアンタの第6感か・・・仕方ないわね。
その感を信じて待ちましょうか」
そう確信しているのか、断言する3つ目の影。
少年少女口調の影とオネエ口調の影はやれやれと言った風に頷いた。
3つ目の影が、テーブルの前へと歩み寄ってディスプレイを眺める。
???「いまこの瞬間、時間は進み始めたの。
星は求めてる。
新しい地平を切り開く者・・・。
竜を狩る者を──」
スゥ・・・と3つ目の影が今まで閉じていた目を薄く開く。
少年少女口調の影とオネエ口調の影は気づいていないらしい。
希望。
歓喜。
待望。
熱望。
その両目にはまだ見ぬ存在への感情が映されていた。
真竜。
ノーデンス社。
ISDF。
そして、キィ・・・鍵。
全てのキーワードが揃うまで、後・・・。