第3章 CHAPTER.1
ミルラ「アトランティスはねー、ほんとはもっともっとひろくて、りっぱなくにだったんだよ!
だけどねー二アラがきてね・・・すごーくひろかったのにほとんど、しずんじゃってさー」
ミルラの祖母「ミルラ、ちょっと黙ってなさい」
少し真剣な口調で、ミルラが口で止められる。
するとミルラは「ふえ・・・」と口を止めた。
ミルラの祖母「・・・・・・・・・・・・。
ミルラ、ここは危ない。
家に入ってなさい」
ミルラ「ふえ・・・」
いつもより少し怖いと思ったのだろう、ミルラはしょんぼりしながらも言われた通りに家のあるらしい階段の上へ歩いて行った。
ミルラの祖母「ミルラを助けて頂いた、その恩義に報いて申しましょう。いずれにせよ、この国の命運はすでに決まっておりますが・・・」
どこか諦めたように、ミルラのおばあちゃんは喋り始めた。
それはさっきまでのルシェ族と同じような、やっぱり諦めた感じだ。
シオン「・・・何があったんですか?」
ミルラの祖母「数か月前・・・二アラ襲来により隆盛を誇りし海洋宮は11までが海に沈み残すは、この王都ひとつ。
先王ユトレロと我が国の精鋭が二アラに挑みましたが・・・だれも・・・帰っては来ませんでした」
リョウ「え・・・それって、みんな死んじゃったの?」
シオン「リョウ」
ミルラの祖母「やがて毒花の瘴気で兵士以外の国民も多くが死に絶え・・・もはや滅亡は・・・時間の問題です。
ですが、そうなる前に執務官のタリエリ様が作戦を決行なされる」
セツナ「作戦・・・?
何か、二アラに対抗する打開策があるのか?」
ミルラの祖母「邪を払う王都の聖なる守護石・星晶石を破壊し、国土もろとも憎き二アラを海に沈める作戦を・・・」
シオン「国土もろとも、って・・・この残ってるアトランティスごとって事・・・ですか?」
ミルラの祖母「この王都の臣民は、皆、心静かに最期のときを待っています。
どうかこれ以上、神聖なアトランティスを乱しますな」
そこまで言うと、ミルラのおばあちゃんはミルラを追うように階段を登って行った。
・・・みんな諦めムードなのは、そう言う理由か。