第3章 CHAPTER.1
シオン「研究開発フロア、って言ってたっけ・・・。
取り敢えず、武器とか揃える?
せっかくだし」
リッカ「はいはーい!なんにする?
武器も防具もアイテムも、そんなに種類は無いけど見てって見てって!」
・・・ずいぶんと既視感を覚えるテンションだ。
リッカのテンション、アリーのテンションと同じ気がする。
何はともあれ、私達は武器や防具のラインナップを見てみた。
シオン「っと・・・それ以前にお金がそんなに無いんだった・・・。
ねえリッカ、このAz(エーゼット)って・・・円には換算してくれないの?」
リッカ「あ、ごめんね。
うちの会社って、そんじょそこらにあるローコスト低予算な店とは売ってる商品の質が全然違うんだ。まあいわゆるキミたち竜を狩る者専用のショップみたいな感じかな?
だから円とかドルとか、そんなありふれたお金じゃ取り引きは出来ないんだよねー」
シオン「そ、そんじょそこら・・・なんか凄い言われようだけど、それならどうやればAzを稼げるの?」
リッカ「基本的には、マモノやドラゴンたちを倒した時に落とす換金用素材を売ってくれれば私がそれに見合ったAzの代金にしてあげるよ!
バトルに勝てば大抵はAzが貰えるけど、換金用素材を売った方が稼ぎやすいと思うな。
後は、使わなくなった装備品を売るとかかな」
なるほど・・・。
そう言えば、セブンスエンカウントで入手したアイテムとかあったっけ。
換金用素材も何個かあった気がする。
セツナ「・・・何にしろ、武器と防具両方を全員分揃えるのは無理だろうな。
ある程度換金用素材が溜まったら、それを売ってAzを稼ぐ方が良いだろう」
シオン「だね。
まあ取り敢えず武器だけでも・・・リッカ。
この薄縁(はくえん。刃の二工が細かく沸き立つ双剣)と、ハイ・デリンジャー(デリンジャーの強化銃)とヒーローバンカー(見た目にもカッコいい拳)を買うよ」
リッカ「ありがとうございまーすっ!」
商品メニューを見て、私はそれぞれの職業に見合った一番強そうな武器を購入した。
それをちゃんと装備して、私達はナガミミが待っているであろう東館の2階にある研究開発フロアへと向かった。