第3章 CHAPTER.1
医務員ホリィ「・・・ま、無理しなければ・・・もう、大丈夫でしょう。
外傷よりも、君の場合・・・」
そう言えばミオは?と2人に聞けば、別のベッドで休んでいるらしい。
私の事を心配してくれていたそうだし、回復した事を伝えておこう。
そう思ってミオの居るベッドに顔を出したけど、なんかホリィさんと喋ってるみたい。
ミオはミオで私が見ている事に気づいてハッとした。
ミオ「きゃっ!」
シオン「(きゃっ・・・て。これが女子の悲鳴・・・)
やほ、ミオ」
ミオ「あ・・・あの、シオン。
もう・・・大丈夫なの?」
シオン「うん、この通り」
ミオ「よかった・・・」
心底安心したように、ミオは息をひとつついた。
そしてふと思い出したように何か思いつめた表情を浮かべた。
ミオ「・・・・・・・・・・・・。
あのさ・・・シオンはやっぱり、あの計画に協力するの?」
シオン「・・・うん、協力するつもり。
リョウとセツナも、一緒に来てくれるって」
ミオ「そっか・・・。・・・なんとなくそんな気がしてたんだ。
・・・ねぇ、でもどうしてそんなにがんばれるの?
協力するってことは、あんなドラゴンと戦うってことなんだよ?
怖くない?逃げだしたいって・・・思わない?」
矢継ぎ早に問いかけてくるミオ。
そんなミオに、私は「・・・怖いって思うより何かやらなきゃ、って思う。逃げたとしても、何も始まらないし」と答えた。
ミオ「あっ・・・ご、ごめんね。
シオン達が・・・守ってくれたからこうして生きてるのに・・・。
・・・本当にごめんなさい。
わたし、無責任だよ。こんな言い方・・・。
わたし、もう帰るね。
さよなら、シオン。リョウ。セツナ。
無茶・・・しないでね」
そう言って、ミオは俯いたまま私達の方を振り向かずに医務室を出て行った。
なんか抱え込んでる感じだったな。無理し過ぎなきゃいいけど。
・・・さて、と。
一生のお別れじゃないんだし、ミオとはまた会えるよね。
身体も回復したしミオとも話せたし・・・そろそろアリー達が待っているであろう会議室へと向かおうかな。
私達は近くに居た看護師マイマイさんに一声かけてから医務室を後にした。