第3章 CHAPTER.1
医務室の入口まで到着したは良いけど、そこまでが限界だったのか私はぶっ倒れた。
ナガミミが「ヤレヤレ・・・」と言ってミオが慌てたように駆け寄って来てくれた。
そこから医務室のベッドに運ばれたらしいけど、もうその時点で意識はすっ飛んでいた。
・・・で、その翌日。
私は今、医務室のベッドに上体を起こして検診を受けていた。
医務員ホリィ「うーむ・・・どの傷も奇跡的なくらい回復している・・・。
・・・もう、大丈夫でしょう」
シオン「あー、ども」
アリー「ほっ!
オオゴトじゃなくてよかったよー!」
ジュリエッタ「しっかし、帝竜と戦ってこの程度の傷で済むなんてさすがは狩る者ねぇ」
アリー「戦って分かったと思うけど、現実の世界で戦うのってやっぱりゲームとは違うんだよ。
人の命や、想いを背負う。
それは重くて、怖くて・・・ツラいものだよ」
シオン「・・・・・・うん」
アリー「だけどみんなを救うためには、ドラゴンクロニクルを解明するしかない。
だからこそアリーたちに、キミの・・・狩る者の力を、貸して欲しいんだ」
ジュリエッタ「気持ちが固まったら3Fの会議フロアまで来て。
待ってるわよ、シオン」
そう言い残して、アリーとジュリエッタは医務室を出て行った。
・・・うん、覚悟なら固まってる。
ベッドから降りてぐぐ・・・と背伸びをしていると、隣のベッドがあるであろう仕切りからひょこっと青緑の髪が出てきた。リョウだ。
その後ろから黒いマスクをきっちり装着しているセツナも現れる。
リョウ「ヤッホー、シオン♪
元気みたいで安心したよ〜♪」
セツナ「・・・傷は、治っているようだな。
昨日いきなり倒れてそのまま意識を失ったから、心配したぞ」
シオン「あー・・・ごめんね。心配かけたみたいで。
でもほら、この通り完全復活してるからもう大丈夫。
・・・ところで、2人ともアリー達から話とか聞いてる?」
私の問いかけに、リョウとセツナはお互いに一度アイコンタクトを取った。
リョウ「聞かなくても解ってるクセに♪」
セツナ「これからよろしく頼む、リーダー」
シオン「・・・こちらこそ、よろしくっ!」
私は2人がしてくれたように、リョウとセツナの肩を軽く小突いた。