第2章 CHAPTER.0
シオン「あ、ミオ」
ミオ「あ、あの・・・シオン、ありがとう。
助けてくれて・・・」
シオン「あー・・・まあみんなを助けたかったからね」
ミオ「普通はそれだけじゃ動けないよ。
そんな・・・簡単じゃないもん・・・。
自分の命をかけて、他人を守るなんてだれにでもできることじゃないんだよ?
少なくとも・・・わたしにはできなかった・・・。怖くて・・・震えてるだけで・・・」
まだ怖さが抜けてないのかそれともさっきの光景を思い出したのか、ミオは「わたし・・・なんで、こんなに何もできないんだろう・・・」と俯いた。
シオン「・・・ミオ・・・」
ミオ「ああっ・・・!
ご、ごめんね。変な空気にしちゃって・・・。
とにかく!
さっきは、ホントにホントにありがとう。このお礼はいつかきっとするから!」
シオン「・・・んじゃ、その時はよろしく?」
ミオ「うん・・・約束だよ。
それじゃ。わたしはここで、失礼します」
要件は終わったらしく、ミオは私達やアリー達にそう言って帰ろうとした。
それをすかさずジュリエッタが「ちょ・・・ちょっと待ちなさい!」と引き止めた。
ジュリエッタ「アンタ、まさかそんなボロボロのまま帰るつもり?」
アリー「キミたちはノーデンス社自慢の医療チームがバッチリ手当するよ☆」
ミオ「え・・・?
でも・・・わたしは・・・」
ジュリエッタ「んもう!
細かいことは気にしないの!
さ、みんなで行きましょ!
医療セクションの連中、手ぐすね引いて待ってるわよ」
リョウ「なーなーセツナ、手ぐすねって馬に着けるやつの事?」
セツナ「・・・それは手綱だ。
手ぐすねは・・・お待ちかね、と言う意味だ」
ナガミミ「フヒヒ・・・マヌケな連中が選ばれたもんだな」
アリー「んふふー♪」
その後、あれやこれやと私達は本社の医療チームが居る医務室へと連れて行かれた。
なんやかんやあったけど、確実に言える事がある。
それは、今日ほど今まで生きてきた人生で・・・自分の意志で生きてるって思えた事は無い。
この先、どんな未来が待っているのかなんて解らないけど・・・私は──やれる事をやるだけだから。