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affection【 気象系短編小説 】

第5章 # 君が笑えるように


ひとしきり泣いて 、俺は思い出したように財布を取り出す 。

中から出てきたのは 、ある映画のチケット 。
それは 、〇〇が留学する前に 観る予定だったもの 。

「 ... 二人で観たかったな ... 」

結局それは 、2人で観ることもなく 、ずっと財布にしまったままだった 。

俺は 、なんだか悔しくて 、チケットを破いた 。

ふと 、窓の外を見ると 、そこには 大きな虹が掛かっていた 。
〇〇 ... 虹を見るのも好きだったよな ...

あれ 、そういえばこの花 ...

出窓にちょこんと飾ってある花も 、〇〇が買ってきたもの 。
飽きっぽい〇〇に 育てるのは無理だって言ったけど 、絶対枯れないようにするからってお願いされて 、仕方なく置いた花 。

何も考えてなかったし 、俺の部屋には合わなかったけど 、5年間 、1度も枯らしてないから 。

安心して ... ?

いつの間にか 〇〇と 2人で作った思い出や 、日々を思い出す1日になってしまい 、部屋中を歩き回った 。

〇〇のことを思い出しては 、勝手に涙が流れ 、そしてまた思い出す ...

俺 ... やっぱり 〇〇のこと 、今でも大好きなんだな ...

いっそ 、今の俺の気持ちが 、〇〇の好きだった 虹になれば 、〇〇に 届くんじゃないか 、気付いてもらえるんじゃないか なんて くだらないことを考えてしまう 。

また 、涙が零れそうになった瞬間 、インターホンがなった ...
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