第8章 # Pray
~ 相葉side ~
〇〇「 ... もういいっ 、さよなら ... 」
泣きそうな顔で 、絞り出したような小さな声でそう言って 、部屋から出ていった君 。
俺が不甲斐ないせいで 、君を傷つけた 。
大事な記念日だって 、仕事 、仕事で 一緒に居られなくて ...
君から別れを告げられてから 、もう3ヶ月も経ったのに 、俺はまだ 心のどこかで期待してしまっているんだ 。
街に出れば 、君がいるんじゃないか 。
玄関を開ければ 、いつもと変わらない笑顔で出迎えてくれるんじゃないか ...
... そんなハズないのに 。
そんな俺を元気づける為に と 、友達が開いてくれた飲み会 。
なかなか気分も乗らない 。
友「 お前まだ引きずってんのかよ~ 」
そう言って笑われるんだ 。
俺だって分かってる 。
早く次に行ったほうがいいことも 、いい思い出にしなきゃいけないことも ...
「 そう ... だよね ... 」
そんな情けない俺を知られたくなくて 、友達にも本音を言えなくて 、ついつい嘘をついてしまう 。
そんな自分が凄く嫌だった 。
「 ちょっとタバコ吸ってくるわ ... 」
そう言って 店を出ると 、肌を刺すような冷たい風 。
澄んだ空からは 、チラチラと雪が降っていた 。
雪の日は 、〇〇のことを思い出してしまう 。
俺達が付き合いだしたのは 、こんな雪の降っていた日だったから ...