第3章 # Monster
あれから何度か 元いた世界に現れることもあったが 、もちろん誰にも気付いてもらえず ...
だけど 、何かにぶつかってしまうと 物が落ちたり ...
俺はもう 、〇〇に触れることは許されないのに 怖がらせてしまうんだ 。
月日が経っても 、〇〇の泣く声で 俺は元の世界に呼び出される 。
そして朝日が見えた瞬間 、またあの世界に戻される 。
〇〇の前に現れているのに 、自分の存在が消されているみたいで ...
「 ... 気付いてよ ... 」
また 〇〇と手を繋ぎながら 、眠りたいんだ ...
そう思った時 、俺は決意した 。
また生まれ変わって 、〇〇と出会って 結ばれて ...
その瞬間 、カーテンの隙間から 朝日が差し込み 俺はまたあの世界に戻る 。
?「 お前 、生まれ変わりたいと思ってるのか ? 」
「 え ... ? 」
後ろからした声に 振り向くと 、見たことのない老人が立っていた 。
「 あ ... はい 。」
老人「 それは可能だが ... 、今までの記憶は 全て消えてしまうぞ 」
記憶が 消える ...
そう聞いた瞬間 、〇〇と作った思い出が 走馬灯のように頭に過ぎった 。
老人「 まぁ ゆっくり考えな ... 」
老人はそう告げると 、踵を返し 、去っていってしまった 。
ひとり取り残された俺の脳内を 、老人の言葉がグルグルと回る 。
俺は〇〇のこと 忘れちゃうの ... ?
嫌だよ そんなの ... っ
でも 、生まれ変わらなかったら 、いつまでも〇〇に触れることはできないまま ...
それも嫌だ ...
俺は 老人の言葉通り 、じっくりと考えていた 。