第3章 # Monster
丸一日 、じっくり考えた結果 、俺はまた生まれ変わりたいと決めた 。
そして 、また〇〇の泣く声で 、俺は元の世界に現れた 。
泣いている〇〇を見て 、その決意は ガッチリと固まった 。
〇〇のことを忘れたって 、生まれ変わったら必ず 、また〇〇の前に現れて 、前世よりずっとずっと愛してあげるんだから ...
カーテンの隙間から 朝日が差し込むと 、またあの世界へ戻る 。
何も無い 、真っ白な世界 。
老人「 決めたのか ... ? 」
「 ... 俺 、やっぱり生まれ変わりたいよ 。そしてまた 、アイツの傍にいたい ... 」
老人「 ... 本当にいいんだな ? 」
「 ふふ 、そんな簡単に 忘れてたまるかよ ... っ 」
なんて 強がってみたけど 、〇〇の事を忘れてしまうなんて 怖くて ...
老人「 ... じゃあココに座れ 」
老人が指さしたベンチに恐る恐る腰掛ける 。
老人「 もう 、遅いぞ ... ? 」
「 早くやってくれよ ...!」
そんなに焦らされたら 迷うじゃねぇか ...
ベンチに座った俺の背中を 、老人の細い指が這う 。
その瞬間 、身体がフッと軽くなった 。
あぁ ... 、俺はこれで本当に終わったんだ ...
そこで 、記憶が途絶えた 。
ー
っ 、ここは ... ?
いろんな人たちの 嬉しそうな声 。
みんなが 自分の顔を見て ニコニコ笑う 。
〇〇「 うわぁ ... 、ちっちゃい ... 、可愛い~!」
何だか懐かしくて 、差し出された指をキュッと握る 。
〇〇「 ねぇ 手握ったよ!」
友「 名前はねぇ ... 、さとしにしようと思って 」
〇〇「 あ ... 、そう なんだ ... 」
さとし ... ?
僕は 手足をばたつかせ 、みんなに笑いかけた 。
« The END »