第6章 嫉妬の炎
シドリアン・フィロソフ・パルマンティエ・グレイアース。
彼はグレイアース領を治めるパルマンティエ公爵家の長男。
父親譲りの金髪にアメジストのような紫色の瞳を持つ。
母親は幼い頃に亡くなったため、パルマンティエ公爵は若く美しい後妻を迎えた。
シドリアンが十三歳の頃、弟のレスターが生まれる。
ジョエルが社交界デビューした日、彼女に恋をした。
それ以降、長い間彼女に求婚を続けているのだが、中々相手にしてもらえない。
垂れた目が優しそうに見えるが、ジョエルへの執着心が非常に強い。
ライバルを減らすため、あの手この手を尽くしてジョエルに群がる者たちの結婚・婚約を斡旋してきたという。
そんな彼は、ジョエルの後ろ姿を複雑な気持ちで見送った。