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【R18】君は華より美しい(仮題)

第5章 売られた喧嘩


 ファンドレイの武骨な手がサテン生地の上を滑る。

「ファンドレイ様、そこは……ひゃ!……ふぁっ?!」

 彼の手を止めようとするが、ちゅく、と耳の穴に舌が入ってきてジョエルは声を上げた。
 そこに意識を取られているすきにむにゅん、と胸を下から持ち上げるようにして揉まれる。 

(だ、ダメ…!!)

 恥ずかしさゆえ、ジョエルは耳まで真っ赤になる。
 やわやわと揉みしだかれる内に、先端がキュンとしてきてしまう。

(な、なに、どうなってるの?!)

 不思議な体の感覚に戸惑うも、ぷっちりと尖ってくる先端。
 ファンドレイはそれに気付いたのか、人差し指でそこをスリスリと擦りだした。
 手は胸をもみ続けている。

「ふぅっ……や、やめて……」

 ジョエルは首を左右に振ってファンドレイに嘆願した。

(ゾクゾクして、むずむずして……おかしくなるっ…)

 これ以上は、とジョエルは力の入らない手で彼の腕を掴む。

「ジョエル様…」
「お、お願い…おやめになって…」
「嫌でしたか…?」
「違うの…でも、これ以上は……あたくし…」

 おかしくなってしまう、とは言えなかった。 
 嫌悪感はない。
 けれど、自分の体が自分の体のじゃなくなるような気がして怖い。
 この先を知るのが怖い。
 それなのに。
 
(もっと触って欲しい、だなんて……!)

 ジョエルには、もうどうしたらいいのか全くわからない。
 こういうとき、こういうとき…!と脳内の記憶を必死で探る。

「――こんなところで…恥ずかしいですわ…」
「……確かに、ここでは流石に憚られますね――」

 ふ、と背後でファンドレイが笑ったような気がしたが、ジョエルは真っ赤な顔を見られたくなくて振り向くことができず、ただこくりと頷いた。

「ジョエル様、貴女という人は――」

 吐息が首筋にかかって、ジョエルは首を竦める。
 ファンドレイがなんと言ったのかわからなかったが、再びちゅっと項に口付けられて、気に留める余裕がなかった。

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