第2章 黄色さんの奇跡
ぴょん!ってブランコから和也が飛ぶと、
こちらを向かずに背中を向けたまま話し始める。
二宮「もうすぐクリスマスですね。」
気づいたら日が沈みかけてて、
辺りはポツポツと街灯が点いてる。
「うん。」
二宮「は…櫻井くんと過ごすんですか?」
「ん、え!?櫻井くん?なぜにっ!?」
突然の櫻井くんの名前に動揺する。
その様子を見てか、
二宮「櫻井くんと話してる時、楽しそうだし。」
「なんでよ。私は櫻井くんのことなんて
ちっとも好きじゃない!!」
ついムキになってしまった。
すると和也が振り返る。
その真剣な顔にドキッとした。
二宮「あなたは誰が好きなんです?」
…こんなに長く一緒にいるのに、
知らないんだ。気づかないんだ。
じゃあ教えてあげる。
「…和也だよ。ばーか。」
予想外の答えだったのか、
すごい驚いてる。
和也「え、俺!?」
「うん。ごめん。」
なぜだか謝ってしまった。