第8章 トト子がいちばん!!
次にトト子は、店の隅にある十四松が持ってきたマグロを、重量挙げの如く両手に持ち舌舐めずりした。
鼻息を荒げ、四人に血走った目を注ぐ。
「トト子ちゃんすごい!すごすぎる!まさかの筋肉アイドル要素も兼ね備えてるなんて!」
トド松は目がハートマークだが、死にたくないのか十四松の背中に素早く隠れた。
「すっげー!腰つよいねー!」
「ハァーーンッ!三百キロもあるマグロを一人で持てるなんて、超絶かわいーよーーーっ!!」
「か、かわいい通り越して殺人レベル…」
壁際に追いやられた四人を他所に、店のドアをコッソリ開けて逃げようとする人影があった。
それを彼女が見逃すはずがない。
「どこ行くんだオラァァア!!」
「シェーーーーーッ!?」
…マグロが背中に直撃したイヤミは、うつ伏せの状態で崩れ落ちた。
「か、かーーーわいーーーいっ!!」
彼らは女王トト子ちゃんならば、何をしても超絶かわいいのだ。
「歯ァ食い縛れ粗チンどもぉぉぉおおお!!」
コークスクリューブローが四人を捕らえ、
「ボェバァーーーーッ!!??」
——そして全員動かなくなった。
・・・