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おそ松さん〜恋セヨ松野さん〜

第8章 トト子がいちばん!!



「いい話すぎるーーーーッ!!」


チョロ松につられ、他の五人ももらい泣きし、首にかけた手ぬぐいで目頭を押さえ出す。


(どうしよう。みんな泣き出しちゃった…)


ゆめ美がいまいち状況が掴めず困り果てていると、急に十四松が右手をビシッと上げた。


「はいはーーい!ぼく閃いたー!」

「グスン…なぁに十四松くん?」

「えっとね、手品が出来るアイドルなんてどーかな?」

「手品ー?でも覚えるのめんどくさいもん」


めんどくさいと言い切るトト子に十四松が提案したのは、バニーガール姿のゆめ美が助手になり、巨大水槽からタコのコスプレをしたプリンセストト子が脱出イリュージョンを披露するというものだった。


「可愛い上にスリル満点でサイコーだと思うよ!!テレビにも引っ張りダコー!!」


タコ足を真似て腕をグニャグニャ曲げる十四松。
だが、嬉しそうに話す十四松とは対照的に、トト子は顔を引きつらせ、そして…


「びえーーーんッ!!ひどーい十四松くーーんッ!!トト子が一人じゃ売れないからってゆめ美で売り込もうとしてるーーーッ!!」


お気に召さなかったようで、再び滝のように涙を流し始めてしまった。
見かねたゆめ美はトト子の隣に座り、背中をあやすようにさする。


「だ、大丈夫だよトト子!あくまでも主役はトト子だからね!それに私、絶対やらないから安心して」

「えーそーなの!?バニークソかわいーのに!!」

「私、人前に出るのとか苦手だから。ごめんね十四松くん」

「そっかぁ!じゃあぼくがやるー!!」


十四松がぴょんぴょんうさぎ跳びを始めると、ふぅと溜息をつくスーツ姿の男がいた。


「ゆめ美ちゃん、それはトト子ちゃんのマネージャーとして聞き捨てならないねぇ」


男は、黒ぶちメガネをクイッと上げて、メガネ越しにつぶらな瞳をギラリと輝かせた。



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