第6章 一番強いのはぼくだよ!!
「やったぁ!じゃあ私からだよね!」
場が流れ、ゆめ美はハートとダイヤの7を嬉しそうに出した。
「はい、あがりーーっ!」
接待トランプのおかげで、晴れてゆめ美は富豪となる。
「おめで盗塁王ー!!」
六人全員拍手喝采で大袈裟に祝福する。
続くおそ松は、温存していたスペードのAとジョーカーを出した。
「俺もあーがりっ!へへっ、三位ならまぁまぁだな」
一気に二人があがり、残された四人に焦りの色が見え始める。
場に出せる数字はAの上であるトド松の2のみ。
「ここはボクがもらうよ」
トド松は、ついに切り札だったスペードとクラブの2を出し場を流してから、ハートとダイヤの4を出した。
二枚組を誰も持っていないと踏んだのである。
トド松の最後の一枚は最弱であるハートの3。
(頼む!みんなパスして…!)
しかし、それは誤算だった。
「オレの……勝ちだっ!」
「っ!!」
カラ松はピッとハートとクラブの9を投げ置いた。
「そん…な…っ」
涙目になる憐れな末っ子。
「あちゃー、やっちゃったねぇ」
末っ子の最後の一枚を覗き見て、おそ松は腕を組む。
「たーすかったー!あがりっ!」
ついにチョロ松もハートとクラブのKを出して平民確定だ。
残るは三人。この中から平民になれるのは一人のみ。