第6章 一番強いのはぼくだよ!!
「おいトド松。お前いつの間にゆめ美ちゃんとあだ名で呼び合う仲になってんの?」
「は?え?ちょ、なに?ゲームに関係なくない?」
「関係はないよ?でもさ、それお前、人としてどうなの?最後に生まれた分際で勝手すぎない?なぁ、チョロ松もそう思うよなぁ?」
急に斜め上な展開に進むのが松野家の恐ろしい所だ。
チョロ松は目線を上げながらうーんと唸ると、
「あだ名になった経緯とかは逐一報告してほしいかな」
事務的な声でそう言った。
「は?だから関係ないでしょ?呼びたいんならみんなもあだ名で呼べばいいじゃん!」
「そ…そんなの恐れ多いだろーが!」
声を荒げながら顔をボンと赤らめる一松におそ松も続く。
「そーだそーだっ!!謝れ!ゆめ美様、いや、ゆめ美神に謝れ!」
「ボク達自然と仲良くなっただけだもん。ねーユメ?」
「うん、みんなも呼びやすい呼び方でいいよ」
「じゃあぼくソリアーノ!!」
「フッ、オレはありのままに、我が儘に、そのまま君の名を呼ぶとしよう」
十四松のソリアーノとカラ松のイタさに首を傾げるゆめ美を見て、慌ててチョロ松がフォローに入る。
「ご、ごめんゆめ美ちゃん、こいつら頭沸いてるから適当に聞き流しちゃって」
「足めっちゃ速いよー!」
「だからソリアーノはもういいって!!あだ名の話もおしまい!早くゲーム再開するよ」
チョロ松は強制的に茶番を終わらせた。