第6章 一番強いのはぼくだよ!!
「ちぇっ、つまんねー。んじゃ俺とカラ松パース」
「おい誰がパスだ!フーン、オレのターン!」
イタイ笑みと共に場に出たのはクラブの7。
ごく普通の弱カードだ。
「…ターンエンド」
「カッコつけてるけど全然すごくない。フツーだから」
続いてチョロ松がこれまたフツーのダイヤの9を出す。
しばりも何もない平和な展開だ。
「…パス」
「一松にーさーん?ほんとにー?」
「…嘘ついてどうすんだよ。いいから先行っちゃって」
「あいっ」
十四松はクラブのQ。
「えーっとぉ、どーしよーかなーっ」
悩み始める末弟を見ながら、一人ウズウズしている男がいた。
(さぁジョーカーよ。来い。来るんだ。カモンッ!オレが全力で仕留めてやる!)
カラ松はクールを装いつつ、内面では闘志をメラメラと燃やしていた。
彼はある一枚の手札を凝視している。
(フッ、スペードの3…。オレが最も好きなカードだ。能ある鷹は爪を隠す。一見最弱と見せかけて、イレブンバックや革命時には切り札になるだけでなく、単独ならばジョーカー殺しもやってのけるやんちゃなマイパートナー!そう!例えるならばこのカードはダークホース!!孤高の戦士であるオレにうってつけなカードってワケさ…)