第5章 トランプやるけど、どうせ来ませんよね…?
寝不足な朝を迎えた六人だったが、何故だかお肌はツルツルですこぶるご機嫌だった。
恋をすれば乙女は綺麗になる。それと似たような現象が童貞にも起きたのかもしれない。
「じゃ、みんな待っててねー!いってきまーす」
「いってらっしゃーーい!!」
トド松は靴を履くと、かかとをトンと鳴らして引き戸を開けた。その勇ましい後ろ姿を、旗を振りながら兄達が見送る。
トド松は一度だけ振り返り、桃色スマイルを残し家を出た。
説明を省いていたが、あみだくじの結果で各自仕事が割り当てられており、ゆめ美を迎えに行くのがトド松の役割なのだ。
各松の仕事は、
おそ松 掃除
カラ松 おやつ・飲み物買い出し
チョロ松 掃除
一松 お誘い
十四松 野球(ボディーガード兼務)
トド松 お迎え
ざっとこんな感じだ。
ついでに言うとここだけの話、一松がお誘いを成功させた後日、トド松だけ迎えに行くのを理由にちゃっかり連絡先を交換していたりする。
「ではオレも買い出しに行くとしよう。留守の間頼んだぜ?」
「うーしお兄ちゃん本気出して掃除するわ。チョロ松トイレ掃除よろしくー」
「そう言って居間で漫画読むつもりだろ!さっきから殆んど僕しか掃除してないし!なんでよりによってこいつとペアなんだ…ぶつぶつ」
「ぼくはね、家の前で素振りしてるからゆめ美ちゃん来たら教えマッスル!!」
長い一日が始まった。