第29章 ※トド松エンド 人を好きになるって
指の愛撫は、刺激に慣れていないゆめ美に強烈な快感を引き起こす。
「あ、だめ、や、め…っ」
縋るようにゆめ美はトド松に抱きついた。
トド松は片手でゆめ美を抱き寄せ愛撫を続ける。気持ち良くなっているゆめ美の快楽の波を途絶えさせない為に、腕の疲れなんて無視して刺激を与え続ける。
(あの日、一松兄さんは——)
行為の最中なのに、トド松は四男の顔を思い浮かべていた。
こんな時になぜ思い出してしまうのか。
(ボク、なに嫉妬してんだろ…)
ゆめ美と一松、二人の間に特別な絆を感じたのは気のせいだったのだろうか。
こんな風に乱れるゆめ美を知っているのは自分だけなのだろうか。
(どっちにしたって、ボクが一番になればいいだけ。ユメの一番に——)
だってユメはボクを選んでくれた。彼氏という特権を持つのはボクだけなんだから——トド松は必死にそう自分に言い聞かせ嫉妬に抗う。
「トッティ、私、もう…っ」
ゆめ美が背中を浮かせて切なげに鳴いた。
その絶頂のタイミングを逃すことなく、抱きしめる力を強めて指でグニグニと蕾を押しつぶす。
「うん、イっていいよ、ユメ」
低い声で囁き、二本の指で蕾をきつく挟んだ。
「ーーーッ!」
トド松の腕の中、ゆめ美は呼吸をするのを忘れるくらいの快感に襲われ、全身を弛緩させた。