第29章 ※トド松エンド 人を好きになるって

唇が触れ合った瞬間、ゆめ美の脳内でとある記憶が蘇る。


（この感じ、あの時の…）


トド松とデートをした時、暗がりでされた瞬間的なキス。その時は唇ではなく指だったとはぐらかされたが——


「…やっぱりキスだったんだ…」

「急になに？」

「お化け屋敷の…」


言いかけて押し黙るゆめ美に「えへへ」とあざとく笑うトド松だったが、すぐに表情を豹変させる。


「あの日の続きさせてよ」


吐き捨てるように呟き、再開されるキス。

口を塞ぐようなキスにゆめ美が身を捩れば、トド松はゆめ美の後頭部に手を添え拘束する。


「トドま…待って…」

「……だまって」

「で、も……んっ」


トド松は舌でゆめ美の唇をなぞると、僅かに開いた唇を舌先でこじ開けていく。

舌が絡み合い、触れ合う甘い音と吐息が重なる。

トド松はゆめ美の後頭部を持つ手に力を加えると、更に深く口付けた。歯列をなぞりながら唇で舌を吸い込む。ゆめ美の溢れる唾液を飲み込みその甘さに酔いしれる。

お互いに初めてのディープキス。それなのにトド松はゆめ美をリードし快楽へと導いていく。

キスを続けながら、トド松の手は下へ……。
指がショーツの上から溝を押さえると、なんとも言えない疼きがゆめ美の下半身を襲った。

トド松は焦らすようにゆっくりと指で溝を上下になぞる。


「恥ずかしがり屋なのにエッチなんだから」

「違っ……あっ…んっ」


否定したくても快感が邪魔をする。


「違うの？こんなに濡れてるのに？」


指がショーツの中へ侵入する。溢れる愛液を指に塗りつけ、トド松は小さな蕾に触れた。痛まないようそっと指の腹で押す。


「これはどう？痛かったら言って」


そう告げると、少し膨らんだ蕾を二本の指で挟んで擦る。ゆめ美の反応を確かめながら徐々にスピードを上げる。


「あ…あ…あ…」

「ふふっ、気に入った？」


小刻みな振動を与えれば、粘り気のある水音と共にゆめ美の嬌声が激しくなっていく。


「や…あぁん…んっ」


艶めき立つ声と色香に、ゾクリと興奮を覚えるトド松。と同時に独占欲がトド松の心を蝕んでいく。惹かれれば惹かれるほど、その思いは強くなる。