第29章 ※トド松エンド 人を好きになるって
「だからっ、トッティ、だけ」
「ボクだけ?」
「す…き」
契約成立。
トド松は安堵し眼前の恋人へ笑顔を向ける。
「約束破っちゃダメだよ?」
そう囁き、スマホを取り出すとゆめ美の顔の前へ。
「な…っ録ってたの!?」
いつのまにか起動していたボイスレコーダー。
「えへっ、照れてるの可愛かったから♪」
ウインクで誤魔化すも効果はなく、ゆめ美は赤面になりながらスマホを奪おうと手を伸ばす。
「やめてやめて!消して」
「あははっ、保存っと」
高く掲げてしたり顔で微笑むトド松。
身長はトド松の方が十センチほど高いのでゆめ美の背丈では届かない。背伸びをして掴もうとするゆめ美を交わし、トド松は部屋の中へ逃げる。
「消してってば………い"ぃっ!?」
焦ったゆめ美はテーブルに右足の小指をぶつけてしまう。あまりの痛さに倒れ込んだのを、トド松は優しく抱きとめた。
「すごい声出たけど平気?」
「平気、じゃない」
ツーーンとする言いようのないあの痛みに、ゆめ美は悶絶している。
「見せて」
トド松はベッドに座るようゆめ美を促すと、ゆめ美の前に跪き、右足首を持ち上げた。浴衣がめくれ素肌が露わになる。
下着が見えそうになり、ゆめ美は慌てて浴衣を抑えた。先ほどとは比べ物にならない羞恥心がゆめ美を襲う。