第28章 トド松ルート2 バカになるのが恋ザンス
ゆめ美が会いたいと言ってくれたのを断ったくせに、兄達と過ごしているのを思うと言いようのない感情がトド松を襲う。
怖い、けど、会いたい。
謝って気持ちを伝える?
だが何度も傷つけた。
もう許してくれないかもしれない。
ならばこのまま距離を置き続ける?
(うん!それがいいよね。トッティドンマイ、めげるなトッティファイトだトッティ。トッティの一番の味方はトッティだよ?トッティはとっても頑張ってるってトッティ知ってる。だからユメのことはもう忘——)
刹那、思考を遮るように浮かぶあの子の笑顔。
(——れられないからこんなに悩んでんだろトッティィィィィ!!)
たまらなくなって頭をブンブン振る。
すると、アイダとサチコはヘドバンと勘違いし、便乗して頭を振りながらサビを歌い上げる。
「トッティノリノリじゃない?」
「え?ああっ、うん!ボクこの曲大好きー♪」
みんなとこの時間を楽しみたいから、気持ちと違う態度を取り続ける。
だけどどういう訳か何かが違うのは、自分のそばに大切なあの子がいないから。
もうどうしたらいいのか分からない。
考えても考えてもわからない。
わからない?
わからないなら、もうどうにでもなれだ。