第28章 トド松ルート2 バカになるのが恋ザンス
花火大会が終わり、屋台は続々と片付けを進めていた。
帰路につく人々の中、松達とゆめ美も夜風に吹かれながら河川敷を歩く。
「なんかさ、祭りが終わると夏も終わったなーって気分になるよね」
「終わった終わった。いやぁ、今年の夏はリア充だったなー」
「だね!女子と花火とか僕らの人生においてすごい快挙だよ!」
祭りの余韻に浸りながら、おそ松とチョロ松は腕を組んでウンウンと頷く。
「んで、この後どーする?どっか飲みに行っちゃう〜?」
おそ松の提案に一松とゆめ美は二人して困り顔。
「ごめんねみんな。私はちょっと…」
「おれも用事あるから」
「えー!?なにぃ?もしかして二人で抜けが「違うっ!!」
物凄い剣幕で兄に牙を剥く一松。握りしめた拳に力がこもる。
「そう怒んなって。ジョーダンだろぉ一松っちゃ〜ん」
そんな弟にニシシと笑いかけながらおそ松は肩を組む。弟が威嚇してきても痛くも痒くもない様子。
「とにかくっ、おれは用事あるから!」
「用事って何?お兄ちゃん気になって今夜シコれないよ〜」
「るせぇっ!さっさとシコって寝ろ!」
おそ松の腕を乱暴に振りほどき、一松は何か言いたげな表情でゆめ美を一瞥すると、すぐにその場から離れていった。