第2章 出会っちゃったのだ!!
不満を前面に出した顔つきで、トド松は兄達に怒鳴りつける。
「もぅ!みんなさっきの百円返せよ!」
「んだよ細かいねぇ。末っ子で甘やかされてんだから、あんくらい見逃してよ〜」
「甘やかされてんのは全員同じでしょ!!理不尽やめて!」
返す気ゼロな長男は反省の色がまるで見えない。
無駄な抵抗だとしても不満をぶつけずにはいられない末弟は、次のターゲットを次男に決めた。
「カラ松兄さん!千円返して!」
「なぜ金額が跳ね上がる!?フーン、ならばマネーでは無くフィッシングで手を打とうじゃないかブラザー?」
「チョロ松兄さん!百円!」
現金が欲しい末弟は、次男を流し矛先を三男へ。
「フッ、つれないブラザーだ。釣りだけに」
スルーに対し華麗にサングラスを掛け直し、カッコつけ出すカラ松は、少し哀れでとてつもなくイタかった。
ほんのちょっぴり良識のあるチョロ松は、申し訳なさそうに眉尻を下げている。
「分かったよ。返すけど明日まで待って……って、ねーねー!あれトト子ちゃんじゃなーーい!!おーーい!!トト子ちゃあーーーんッ!!」
だがしかし、女子にはめっぽう弱いのが残念なチョロ松だった。頭から借金は吹き飛び、今、彼の脳内はトト子ちゃん一色である。
ぶんぶんと両手を振って僕はここにいるよアピールをする。
賑わう夕方の商店街で、よくもまあ容易く見つけられるなぁと半ば呆れつつ、トド松もヒラヒラとトト子ちゃんに手を振った。