• テキストサイズ

おそ松さん〜恋セヨ松野さん〜

第27章 トド松ルート1 blinded






路地裏の奥へ進むと、猫缶を夢中に食べるニャンコの姿があった。ゆめ美は腰を落とし、愛おしげにニャンコの丸い背中を見つめる。


「へーっ、エスパーニャンコはここに住み着いてたんだ」


トド松も屈んで覗き込めば、ニャンコはキョトンと小首を傾げまたすぐ食べ始めた。


「うん、一松が時々ごはん持ってきてくれるんだ」

「一松兄さんは猫大好きだからね」

「あははっ、猫みたいだもんね一松って。近づくとそっぽ向くけど、さりげなく側にいてくれるとことか」


自分のトモダチの話題が気になるのか、ニャンコは耳をピンと立てている。


「最近ね、ようやく一松が分かってきたかも」

「分かってきたって?」

「はじめは避けられてるのかなって思ってたけど、人一倍傷つきやすいから人一倍臆病なだけで、本当は人一倍優しいのかなって——」


そこまで言うと、ゆめ美はハッとした表情になり、ぶんぶんと手を振った。


「な、なんとなくそう思ったの!なんかゴメン、勝手な解釈しちゃって」

「…勝手なんかじゃないよ」


恥ずかしそうに目を伏せたゆめ美を覗き込むトド松。


「ありがとね、一松兄さんと仲良くしてくれて」


ゆめ美に胸キュンスマイルを向けながら続ける。


「あの猫松兄さんが人間、しかも女子とフツーに話せるとかすごい進歩だもん。ボクら兄弟以外に仲良い人なんてほとんどいないしね」

「あははっ、私もそんなに友達いないけどね」

「呼び捨てで呼び合うとかボクからしたら奇跡だし。旅行からだよね?二人が更に仲良くなったの」

「そ、そう…かな?」


ゆめ美の顔がみるみる赤くなってゆく。



/ 442ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp