第27章 トド松ルート1 blinded
(なんだよその脈絡の無さは!?妙に付き纏ってきたのはおれのメンタル奇襲する為かよぉぉお!?こいつなにがしたいのか全く読めねぇぇええ!やっぱ兄弟一やばいのはトド松ぅぅぅ!!)
狼狽えながらも一松は口を開く。
「と、唐突すぎだろ!!てかなんでいちいちおれに言うの!?」
「一松兄さんが一番のライバルかなって思って。だから宣戦布告」
(まさかの三角関係!?い、いや、おれがゆめ美を好きなのもヤリかけたのも、誰にも言ってないからバレてるはずないしここはテキトーに…)
ポケットに手を突っ込み、ニタリと笑って斜に構える。
「ケッ、ライバル?おれはゴミだから、人と仲良くなる権利なんて「ほらそれーーッ!!」えぇぇっ!?」
弟の剣幕に圧倒され後退る兄。
「今度はなんだよ!?」
トド松は拳を握りしめ、一松に噛み付くように声を張り上げた。
「ズルイよそのキャラー!母性本能に訴えかけるファッション闇ツンデレ繊細猫好きとかどんだけ欲しがり!?どんだけ愛されスキル持ってんの!?」
「なっ、なにそんなムキになってんだよ!?」
「それでいて無自覚!あざとーっ!ボクとは別ベクトルであざとい!」
そこまで言うと、トド松はハッと我に返りウインクを飛ばした。
「…なーんてね!ちょっと強く言いすぎちゃった♪」
「今更!?修復不可能だろ!?」
舌打ちをし、猫背のまま歩くペースを上げる一松。
「…もういい、一人で行く…」
「あーっ、置いてかないでよ!ただの冗談だってばー」
「お前には付き合いきれない…」
一松は、さっさと餌やりを終えて家に帰ろうとアカツカ亭へ急いだ。
・・・