第4章 内面を充実させる為にまずは外見から高めていかないとね?
十四松はみんなの食べ残したパフェを片っ端から食べながら、バニーガール姿のゆめ美を見て嬉しそうにはにかんだ。
「一松にーさん!ゆめ美ちゃんすっげーカワイイね!!」
「べつに…おれは興味ないし」
「あっれー?そう言いながらもイチモツにーさーんっ!!」
「お、おいっ!やめろって!!」
一人椅子に座りそっぽ向いてる一松のタッティを見て、十四松はにぱっと笑う。
部屋の隅では、サングラスを掛けたままなカラ松と店主が会話を交わしていた。
「すまないマスター。オレがスカートを綺麗に直せなかったばかりに…」
「いいや、青くんには感謝してるよ。ただ顔のワッペンはちょっといただけないかな」
「マイフェイスの再現度を更に上げていれば、ゆめ美ちゃんはあんな思いをせずに…くそうっ!!」
「キミ、人の話聞いてるかい?」
カラ松は一人己を攻め続け頭を抱えている。
店主はそれ以上話題を掘り下げるのを止め、前方のゆめ美達に目をやった。
「シコ松邪魔だからどけ。はーいゆめ美ちゃん、次はこっちのミニスカメイドにお着替えして〜」
「もう辞めたいんだけど」
「もしかして一人で脱ぐの大変?なら手伝うよ〜?」
「け、けっこうです!」
ゆめ美の腕を掴んだゲス松は、まるで舌を垂らした犬のようにだらしない顔をしている。
見るに堪えない光景に、カラ松は二人へ駆け寄った。
「おそ松!もうよせ!」
「んだよ邪魔すんな!」
カラ松がゆめ美の腕からおそ松の手を払いのけ、二人は掴み合いの喧嘩をおっ始める。
「はっはっはっ。みんな青春してるねぇ」
そんな様子を傍観する店主は、若いなぁと一人しみじみ頷いていた。
だが何を隠そう、ことの発端は他でもないこの店主である。
ゆめ美と六つ子がお近づきになれたし、そろそろこの悪ふざけをお開きにしようと、店主がようやく気持ちを切り替えた時、店のドアを開く音がドアベルと共に響いた。
「こんにちはー魚忠でーす。お魚持ってきましたー」