第4章 内面を充実させる為にまずは外見から高めていかないとね?
十分後…
「いーよー!はいこっち目線ちょーだーい!」
パシャパシャとシャッターを鳴らすトド松の横には…
「はあーーんっ!!ゆめ美ちゃんサイッコーーだよーーっ!!」
鼻息を荒くするシコ松がいた。
チョロ松の理性という名の城壁は、いともたやすく陥落してしまったのだ。
そして、苗字で呼んでいたのに、いつの間にかゆめ美ちゃんになっている。
理性が吹き飛んだことにより、彼の中で一皮むけたのかもしれない。
「あの…こんな格好で仕事なんてありえないんだけど」
バニーガール姿になり、胸元をメニューで隠すゆめ美に、シコ松は腕を組み涼しい顔で語り始めた。
「ゆめ美ちゃん、人は相手を判断する時、会話の内容よりも視覚情報で判断する割合が圧倒的に多いと言われているんだ。キミのその制服姿ならば、男性客の胃袋を掴むと共に、心も鷲づかみにし、売り上げも上々さ!ここの絶品グルメとの見事なシナジーを期待出来るとコミットするよ!分かったかい?内面を充実させる為にまずは外見から高めていかないとね?」
「言ってることよく分からないけれど、これはおかしいでしょ!」
「おかしくなんてない!現に満場一致でアグリーじゃないか!さぁ、勇気を出して!」
瞳を輝かせ熱弁するチョロ松を、おそ松とトド松は少し離れた所から白い目で見ている。
「なんかライジングすぎて、ボクついていけないんだけど」
「変なスイッチ入っちゃったな。これだからライジングシコースキーは…」
エロいゆめ美に見惚れつつ、行き過ぎな三男に呆れ返る二人なのだった。