第27章 トド松ルート1 blinded
「みんなって誰?」
「え?兄弟六人だけど」
「バカなのお前?野郎六人で花火大会なんて行ったが最後、リア重にメンタル押し潰されるぞ!」
「なにその当て字。行くぐらい別に平気でしょ」
と、ここでおそ松はポンと手を叩く。
「あっ、そーだ!六人じゃなきゃいーんだよ!ゆめ美ちゃんとトト子ちゃん誘おうぜ!んで、その後はカラオケでウェーーーイ!!」
「ウェーーーイ!!」
意気投合し、急にテンションが上がったおそ松とトド松がハイタッチをする。一方、はしゃぐ二人の横では動揺したライジングの目が泳ぎだす。
「べべ、べつに女子がいなくたって楽しいでしょ?誘ったって来るか分からないし。それに、花火大会は花火を楽しむ為にあるんだから」
「でも本当は?」
おそ松が問うと、チョロ松は目をキリリと輝かせ、
「浴衣女子とアバンチュールしたいです!」
「おおーーーっ!!」
一皮向けたチョロ松へ、おそ松とトド松が声を揃えて拍手喝采。
「そうだよチョロ松兄さん!夏だよ浴衣だようなじだよ!触れ合いたいし癒されたいしエロいことしたいでしょっ!」
「浴衣でセックスとか男のロマンだよな!この間のゆめ美ちゃん浴衣ver(松怪綺譚参照)はマジでエロかった。あの日平穏無事だったら俺絶対夜這いしてたー」
「なんで花火大会から浴衣でセックスまで話が飛躍すんだよ!お前は女子をそーゆー目でしか見れないのかよ!ほんっとクズ!ゲス!カス!」
やかましい三男を煩わしそうにしっしと手で払う長男。
「やだねぇこの弟は。二言目にはすぐ小言。だって、浴衣って言うなれば女子のセックスアピールでしょ?あれを見て勃たないとか男としてどうなの?……って、こいつ涼しい顔してちんこ勃ってるーーッ!!」
「ち、ちがうっ!!僕はべつに!」
「お前今、ゆめ美ちゃんの浴衣想像して勃起しただろーーっ」
おそ松とチョロ松が不毛な口論を繰り広げる中、おそ松が"ゆめ美ちゃんの浴衣"と口にした時、一松が猫耳を一瞬だけ出して引っ込めたのをトド松は見逃さなかった。