第26章 ※チョロ松エンド 僕を君に捧ぐ
「…つまりは、そういうこと、したいなって…」
勇気を出してゆめ美から意思表示。
ここで逃げれば男がすたる。
向けられた言葉から真意を読み取り、チョロ松はゴクリと喉を鳴らした。
「ほんとに…いいの?」
「うん…」
(だ…)
興奮と感動が童貞の心に舞い込んだ。
(脱魔法使い見習いキタキタキターーーーーッ!!!!)
心の中はドキドキマックスボルテージだが、冷静を装い真っ直ぐゆめ美を見つめた。
つぶらな瞳に恋の炎が灯される。
「じゃあ、するよ?本当にしゅるからね…!」
そして早速肝心なところで噛んだ。
ムードも何もあったもんじゃない噛みっぷりに、我ながらポンコツだなぁとチョロ松は胸中で苦笑しつつ、ゆめ美の浴衣に手をかける——が。
(あ…違う!ムードあるセックスはまずはキスからだった!)
パッと手を戻し、機械のように、セックスのハウツー本通りの愛撫を開始した。
(愛撫は言うなれば男に課せられた重要なタスク。メソッドは手順さえ間違えなければ万事OK。驚かせぬよう、まずはじっくりたっぷりフツーのキスで緊張をほぐしていく。その後舌を使ったキスへ移行し、右手は徐々におっぱいへ…。左手で全身を刺激してバッファは足りる。よし、完璧だ。この内容でフィックスしよう!)
頬を撫でられゆめ美が目を閉じれば、ふに、と触れるだけのキスの感触。そして、指先がぎこちなくゆめ美の肩や鎖骨を撫で回す。
いや…、撫で回すというよりかはタッチが強くて擦られているような…。
その、あまりにもガッチガチな愛撫に、ゆめ美は思わず目を開ける。
「あの…チョロ松くん?」
(そろそろ舌をどぅるんどぅるんさせても引かれないかな?舌入れたすぎてよだれが顎から垂れる勢いだし。いやまてチョロ松。ここは一旦唇を離し、「可愛いね」とか「楽にして」とか余裕あるっぽい台詞で甘い雰囲気を作りつつリードして…)
「ねぇ」
暗チュー模索に陥っているチョロ松の肩を、ツンツンするゆめ美。