第26章 ※チョロ松エンド 僕を君に捧ぐ
陶芸を堪能し旅館に戻れば、豪華な温泉と夕飯が待っていた。
今回の旅行では恐怖の青鬼は襲ってこないし、五人のクソニートもいない。笑顔が溢れる二人だけの空間だ。
日常を忘れ、食事と温泉で日々の疲れを癒した後——ついにその時が訪れた。
日付が変わる少し前。
浴衣姿のゆめ美とチョロ松は布団に潜った。
控えめに離されて並んだ布団を、間接照明が薄ぼんやりと照らす。
静かな静かな夜。
「チョロ松くん」
布団に入って数分後。
一向にチョロ松から話しかけてこなそうだったので、ついにゆめ美から口を開いた。
「な…なに?」
目を合わせられず、天井を見つめたまま返すチョロ松。
「今日は楽しかったね」
「うん」
「ごはんも美味しかったし温泉も気持ちよかったー」
「もったいないからまた温泉入りたいなぁ」
「じゃあ貸切露天風呂行かない?夜中も鍵貸してくれるみたいだから」
「そうだね………って、ななななんてことを…!!」
チョロ松が飛び起きてゆめ美を見やれば、
「あの…冗談だよ?」
キョトンとした顔で一言。
「そっか、よかったぁ」
安堵のため息を漏らし、チョロ松は再び布団に入った。
(いきなり温泉でイチャラブセックスは刺激が強すぎる…!!まずは布団で正常位…まずは布団で正常位…)
「本当は本気だけど」とゆめ美が小さく呟くが、頭の中"布団で正常位"一色な彼には聞こえていない。
ゆめ美はチョロ松に背中を向けて丸まった。