第26章 ※チョロ松エンド 僕を君に捧ぐ
ゆめ美はろくろを止めて振り返った。
「…チョロ松くん、教えてくれてありがとう。でももう一人で出来るから」
「そ、そう?なんか僕、調子乗ってごめん…」
「ううん、嬉しかったよ。でもね、これはチョロ松くんの湯呑みなんだ」
「僕の?」
交わる視線からピンク色の世界が広がっていく。
「うん。いつか一緒に暮らす時にね、ペアの湯呑みがあったらいいなって思って。だから、自分で作ってあげたいの」
ゆめ美の言葉に、チョロ松は瞳を輝かせた。
「僕も…、僕も同じだよ!」
「えっ?」
書いてるこっちが恥ずかしくなる展開になってきた。
「僕もね、ゆめ美ちゃんとお揃いの夫婦茶碗を作ってたんだ!同棲したら一緒に使いたいなって!」
「チョロ松くん…」
「ゆめ美ちゃん…」
泥なんて気にせず、手を取り真っ直ぐ見つめ合う。
「じゃあ、僕も残りの時間頑張るから…」
「私も絶対素敵な湯呑み作るから!」
いびつでも、世界でたった一つの器には愛情がたっぷり込められている。
ずっと添い遂げたいという願いと共に…。
「……フッ、土が目にしみやがる…」
愛を育む二人を影から見守り、ダビデさんの胸筋はものっすごいビクンビクンしていた。
・・・