第26章 ※チョロ松エンド 僕を君に捧ぐ
「口の部分をすぼめ過ぎじゃないかな?これじゃあ飲みづらいでしょ?」
白い手に寄り添う大きな手が、優しくゆめ美の手に水を撫でつける。
「いい?少しこうして指で口を外側に引いてあげれば、遠心力で簡単に開くから」
「うん…」
耳元で紡がれる穏やかな声がなんだかくすぐったくて、ゆめ美は身体をよじった。
すると、ゆめ美の爪がふちにふれてしまう。
「あ、線が入っちゃったね」
チョロ松が水に濡らしたスポンジを当てれば、線はスッと消えた。
「気をつけてね」
「ごめん」
優しく叱られ、ゆめ美の顔が上気する。
「チョロ松くん、短時間ですごく上達してるね…」
「コツを掴めば意外とすんなりいけるよ?」
実を言うと、この日の為にチョロ松は"ゼロから始まる陶芸入門"で予習していたりする。どうやら効果はバツグンで、男らしくて頼りになる彼氏にゆめ美はウットリ夢心地だ。
「さっきのでちょっと歪んじゃったね。歪んだ時は手のひらじゃなく指で締めていけば元に戻るよ。こんな風に…」
二人の手が絡み合う。
ゆめ美の指がチョロ松の指に押されて土に擦れると、指先がじーんと熱くなった。
「あ……くすぐったいっ」
「っ…ごめんっ!」
甘い声にドキリとし、パッと手を離すチョロ松。