第4章 内面を充実させる為にまずは外見から高めていかないとね?
「さて、開店まであと二時間…事態は一刻を争う…そこでゆめ美ちゃん」
「は、はい…」
「制服変えようか」
「わかり…ました」
ゆめ美が申し訳なさそうにカラ松の方へ視線を向けると、カラ松は気にするなとでも言いたげに首を振った。
寂しげな笑顔を向けられ、頭をもたげるはデートの約束。
(あんなに頑張ってくれたのに…)
右膝上にいるカラ松アップリケを見つめながら、ゆめ美はなんとも言えない気持ちになった。
「じゃあいくつか制服持ってくるから、よかったらみんなで選ぶの手伝ってくれるかい?」
「えっ?買うんじゃなくてあったの?じゃあどうして最初に言ってくれなかったの?」
その理由はすぐに判明する。
首を傾げたゆめ美に向かい店主は得意げに笑いかけると、バックルームからいそいそと制服を何着か持って戻ってきた。
「はいこの中から好きなの着て。勿論六つ子くん達も選んでね」
チョロ松は、机の上に置かれた制服数着を見て、
「店長!?これ完全にアウトですよ!?」
ツッコまざるを得なかった。
「そうかい?ちょっと奇抜すぎるかな?」
「奇抜すぎるどころかエゲツないのばっかなんですけど!?これ制服じゃなくてただのコスプレです!!」
「はっはっは。昔随分とブイブイ言わせていた名残でつい下半身に従ってしまったんだ。気が付いたらポチッとね」
「いやこの人何言ってんの…て、すすすすいません失礼な発言を!てかいい大人が下半身言うなーーっ!!」
見た目とのギャップとかいうレベルではないコンドームおじさんの天然っぷりに、チョロ松は目眩を覚え、目頭を押さえた。