第25章 チョロ松ルート2 本当の僕って
すると、チョロ松の光り輝いていた皮膚がぺりぺりと剥がれていく。
まるでメッキが剥がれるように。
「こんな状態だもん。結果なんて言わなくても分かるでしょ?上手くいったら報告しようとしてたのに、まさか兄弟じゃなくゆめ美ちゃんにバレてたなんて…」
そこまで言うとフッと光が途絶え、辺り一面に暗闇が訪れた。
チョロ松の笑い声が悲しげに響き渡る。
「あはははっ!なにこれ!!この光らないクソムシが僕の本当の姿ってこと?僕ってホントダメだよね!マトモぶってるだけで中身なんてなんにもない!口ばっかりで何一つ実現出来てない!これじゃあいつまで経っても一人前の男になんかなれっこない!」
大袈裟に笑ってみせるが、その声は涙が混じっている。
「僕が一番しっかりしなきゃって思ってたのに!なにもかも上手くいかない!やっぱり僕は年齢イコール無職童貞歴のチョロシコスキーなんだっ!」
「チョロ松くん…」
「僕は、僕は…っ、こんなんだから…ゆめ美ちゃんに…!」
「ねえ、聞いて。チョロ松くん」
チョロ松を再び掌に乗せ、落ち着いた声でゆめ美は語りかける。
「チョロ松くんはダメなんかじゃないよ」
「もういいんだ、僕なんて。やっぱりあの時ダヨーン族になって一生働かず争いもない平和な暮らしを」
「チョロ松くんっ!」
ゆめ美が声を強めると、今度はゆめ美の身体に光りが宿った。
太陽のようなあたたかくも強い光がチョロ松の心の闇を照らす。
「いいんだよ!何度だって失敗しても!はじめから上手くいく方が難しいよ?そりゃあ失敗したら辛いだろうし私だって悲しい。でも、疲れた時はうちのナポリタン食べに来て?絶対元気にさせてあげるから!」