第25章 チョロ松ルート2 本当の僕って
「ほら見てよ!安心して?僕はこの通りピンピンしてるから」
人差し指を立てて、得意げに話し出す。
「よし、早速明日から自己啓発本熟読しようかな!あとはインドに自分探しの旅とかもいいよね。要するに、セルフブランディングが大事なんだよ。僕立ち止まる気なんて無いし、常に向上心を持って自己実現のた」
「もういいよ」
「…え?」
「言わなくてもちゃんと伝わってるよ。チョロ松くんが頑張ってるの」
何度拭っても溢れる涙を袖で拭い、ゆめ美は心に隠していた言葉を口にする。
「就活してたんでしょ?」
固まるチョロ松。
「二週間前くらいかな。毎日スーツで出掛けてたのがお店の窓から見えてたよ。だから、直接は言えなかったけれどずっと応援してた」
「あ、あはは…バレてたんだ。なんだよ、やだなぁもう——」
チョロ松の表情から笑顔が消える。