第25章 チョロ松ルート2 本当の僕って
ゆめ美が見つけたのは、十四松が見つけたのと同じ、蛍のように淡い光を放つ小さな小さなチョロ松だった。
(これがチョロ松くんの心…)
すっかり衰弱しきったチョロ松を、そっと掌で掬う。
「チョロ松くん、助けにきたよ。私の名前呼んでくれてたでしょ?私だよ、ゆめ美だよ」
ぽたり…と一雫の涙がチョロ松の身体にかかると、掌の上で横たわっていたチョロ松はゆっくりと目を開けた。
「……ゆめ美……ちゃん……?」
目が合った瞬間、チョロ松は目を丸くして飛び起きる。
「う、嘘でしょ!?これは僕の心の中だよ!?こんな所で会えるわけない!これは夢だよね?しかもなんか大きいし!」
狼狽えるチョロ松がなんだか可愛くて、ゆめ美はフッと笑みをこぼす。
「夢じゃないよ。デカパン博士がね、チョロ松くんの心の中に私を送ってくれたんだ。それに、私が大きいんじゃなくてチョロ松くんがちっちゃいんだよ?」
「えぇ!?てことは僕、自意識が縮んじゃったのかな?」
「ねぇ、こんなになっちゃってどうしたの?みんな心配してるよ?」
ポロポロとゆめ美の目からとめどなく涙がこぼれ落ちる。
「わぁっ!泣かないで!ごめんっ、もう平気だから!治ったから!」
チョロ松は慌てて掌から飛び降りると、ライジングという名の強がりを始めた。