第25章 チョロ松ルート2 本当の僕って
人の思念というものは、目に見えないだけで、具現化すれば広大な宇宙のように際限なく広がっているものなのかもしれない。
おそ松達の時とは違い、誰の力も借りずに一人で探索するにはこの世界は広すぎたようだ。
二十分ほど経っただろうか。
未だにチョロ松の姿を見つけられず、立ち止まって廻りを見渡す。
(やっぱり、どこにもいない…)
ゆめ美は、広い海を漂っているような不思議な感覚に襲われていた。
終わりの見えないモヤに、まるで漂流してる気分になってくる。
「チョロ松くん…」
心細くなり、力なく名前を呼んだ時だった。
「…ちゃん……ゆめ美ちゃん…」
どこからか、弱々しい声がゆめ美を呼んでいる。
「チョロ松くん!どこにいるの?チョロ松くんっ!」
声を頼りにゆめ美は飛んでいく。
すると突然、空間を切り取ったようにモヤが消え、真っ暗な世界になった。
そこに、チョロ松はいた。