第25章 チョロ松ルート2 本当の僕って
ゆめ美がゆっくり目を開けると、新緑を思わせる緑が飛び込んできた。
春のあたたかな陽気を浴びた広い草原にいるみたいで思わず深く息を吸う。チョロ松くんの心はこんなに優しい色なんだとゆめ美は心の中で呟いた。
優しさに包み込まれているように心があたたまる。
モヤの中、浮いている感覚に慣れず身体をぎこちなく動かしていると、デカパン博士の声が響いた。
『ゆめ美ちゃん、聞こえるダスか?』
「聞こえます!」
『ホエ、無事に意識をチョロ松くんと繋げることが出来たダスな』
「でもチョロ松くんがいないんですけど」
ぐるりと一周見回し、不安げな声で、ゆめ美。
『安心するダス。チョロ松くんの深層心理は、例えるならばド○クエのマップにある街のように、しばらく進めば見えてくるはずダス』
ならばこのモヤは広大なフィールド——とイメージしてみれば、なんとなく状況が掴めた。
「分かりました!とりあえず動き回ってチョロ松くんを探せばいいんですね?」
『そうダス!ワスと十四松くんは牛丼を食べてくるダスから、その間よろしくダス!』
「はーい!いってらっしゃーい!」
そこでデカパン博士の声は途切れた。
(タイムリミットは三十分、早く探さないと!)
ゆめ美はあっちこっちに飛び回りながら、必死になってモヤの中を進んだ。
・・・