第25章 チョロ松ルート2 本当の僕って
「チョロ松にーさんはね、ゆめ美ちゃんに会いたいのに我慢してるんだ」
「我慢…?」
「うん。たぶんチョロ松兄さんは、自己肯定感が下がったことにより、極度にこの世界を拒絶してしまい、結果、自らを守る為に心を閉ざしてしまっているんだ。これ以上心にダメージを追えば取り返しのつかないことになってしまうと危惧してね。もしかしたら、ここまでチョロ松兄さんを追い詰めてしまったのは、ぼくら兄弟にも責任があるのかもしれない。だからゆめ美ちゃん。ぼくは、ゆめ美ちゃんにチョロ松兄さんの居場所になって欲しいんだ」
(誰…!?)
真剣な表情で長々と説得をする十四松に、ハッと息を呑むゆめ美。まるで別人だ。
(十四松くんすごい…そんな風に考えていたなんて…)
常人とは違う次元で生きている十四松。
もしかしたら、彼は全てを見透かしているのかもしれない。
まっさらな心は、あらゆるものの真実を見抜いているのかもしれない。
言葉が見つからず俯くゆめ美に、十四松は続けた。
「ぼくやデカパン博士じゃダメなんだ。ゆめ美ちゃんだけが、きっとこの病気を治す特効薬なんだよ」
「十四松くん…」
十四松というジャンルの深淵を垣間見て、ゆめ美の心は震えた。
「お願いします!!」
十四松は頭を下げて懇願する。
「チョロ松にーさんの欲棒を満たしてあげてください!」
そして、やっぱり彼は十四松だった。