第24章 チョロ松ルート1 病魔に侵されるシコ松
ライジングは何かを思いついたように身体を起こした。
「今の僕、なかなか良いこと言った!そうだよ!出会いも仕事も一緒!焦らずのんびり過ごしてたら、僕らしさが輝く仕事と出会えるかも!やっぱファーストインプレッションが一番大事だよね!ははっ、自己解決出来ちゃった!立ち止まって自分を見つめ直す時間も必要なんだなぁ。それに、実際出会いに期待してなかった時にあの」「ぃやかましいぃぃいい!!さっきからなに独りでライジングしてんだボケェェエ!!そんなんだから意味わかんねー病気になるんだよこのシコがぁぁああ!!誰もいねー時にシコシコテメーのプライド硬く太くしてんじゃねぇぇえええ!!!!」
堪忍袋が爆発した一松は、気づけば喉が枯れるほど怒鳴り散らしていた。しかし、これは思念の中。胸ぐらを掴もうとしても手は空を切り、心からの叫びもチョロ松には届いていない。
「ケッ、やめだやめ。胸糞悪ぃし違うとこ行こ…」
立ち上がり、フワリとカーペットから足を離す。
自分の入った思念はやっぱハズレくじだったと、そう思った時だった。
「……はぁ…、いつか本当に『仕事の後のビールは最高!』ってみんなで乾杯したいな。六人と…ゆめ美ちゃんで……」
「……」
「その為にも、まずはなんとか僕が仕事見つけないと…ックシュンッ!」
「………出来るでしょ……死ぬまでには………」
振り返らず呟き、モヤの中へ消えていった。
・・・